こんにちは、本日も診療を回りながら畜主と情報交換。
写真は河川敷のあぜ草のロールにしたもの。
イタリアンライグラスを主とした混播牧草だそうです。
運搬費込みで1kgあたり35円程度。栄養価にとても優れているわけではないのですが、とても貴重な粗飼料です。
話は変わりますが、ここの畜主との会話の中で、
「アルファルファの給与量を落として、別のタンパク源でCP(粗タンパク)の量としては維持しているのだけど、乳量がだいぶ落ちてしまった。」とのこと
「アルファルファ」は昔から「牧草の女王」と呼ばれるほど、タンパク質やミネラルが豊富に含まれている牧草です。
この豊富なCPを補うために、粕類などで代替しているようです。
しかし、CPの量が同じであっても、生体内で利用されているタンパクも同じと言うわけではないので、乳量の低下は可能性としてあるだろうと考えていましたが、
「アルファルファ自体に何か泌乳と結び付くものがあるのでは」
と畜主から問われて、ふと頭の中に「エストロゲン」が思い浮かんだ。
「エストロゲン」の影響?かは不明ですが、育成牛で妊娠もしていないのに、乳房が発達してきて、中には泌乳まで認める個体に出会った経験がありました。
「エストロゲン」は乳量も増加させているのでしょうか?
調べてみると
「エストロゲン」は「プロゲステロン」、「プロラクチン」などと相互に乳腺細胞の増殖・分化に関わっているとの事。
しかし、乳量に関する研究においてはむしろ、乳量を減少させているとの報告が多く見られました。
アルファルファには、確かに「クメストロール」という「エストロゲン」作用を持つ物質が含まれています。しかしながら、乳腺細胞の発達を促進してはいるものの、乳量の増加には関与していないということになります。
やはりタンパクの組成が異なることが、泌乳に関係している可能性が高いようです。特に粕類はこの辺りが非常に難しく感じます。
搾乳体験の際にお絵描きされたようです。
今回取り上げた「エストロゲン」の点牛乳は悪く言われることもありますが、良い点もたくさんあります。
クリーンなイメージで消費が増えることを願って。
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