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乾乳舎の適正頭数を第一優先に
牛群をステージで分類すると、育成牛、搾乳牛、乾乳牛と区分できます。これらの分類ごとにそれぞれ適正頭数を設定・維持することは安定した牧場経営においてとても大切なことです。今回は、私がこの分類の中で、最も優先順位を高く設定している乾乳牛の適正頭数についてお話します。
過密と乾物摂取量、そして疾病発生の関係
フリーバーン形態の乾乳後期のグループにおいて、グループ内が過密であった時期に引き続いて、疾病の発生が増加した。と酪農学園大学 及川教授が2008年に報告しています。また、スタンチョン数に対する飼養頭数の割合が増加するほど、乾物摂取量が低下するとも報告しています(これからの乳牛管理のためのハードヘルス学より)。このことをきっかけとして、下図のように疾病のリスクから抜け出すことが困難となる負のスパイラルに陥ってしまいます。

この状況を脱却するには
- 乾乳予定頭数の把握(過密リスクを認識する)
- 乾乳日数の調整(最終手段は無乾乳…)
- 新規導入、分娩計画の見直し(夏期の分娩の集中を回避)
上記が困難な場合でも、とにかく、観察や細やかな個体管理を徹底する。状況を脱却するには、まずは乾乳管理からです。
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