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起立・歩行困難
「急に寝起きが悪くなり(特に後ろ足)、フラフラしながら何とか歩いている」
という稟告の牛の治療をした時の事です。
歩様異常などのよくある原因として、
他の牛に乗駕されたり、スリップ転倒などによる股裂きなどにより、
筋肉、神経、関節を痛めたりすることが挙げられます。
様々な治療法
治療法として、
人と同様に安静にしてリハビリを行うことや、抗炎症薬の使用などがあります。
この他にも、昔から実施されている「鍼」「お灸」などがあります。
「鍼」については症例報告が多数ありますが、機材が手元になかったため実施できませんでした。
「お灸」に関しては、正直、科学的ではないと考えていた私でしたが、
他に方法が見当たらなかったため、半信半疑で何症例か実施してみました。
「お灸」の方法
もともと「お灸」は受胎率を上げることを目的として、紹介されていましたが、運動器疾患にも効果があるらしいとのことで、お灸を行いました。
下の赤丸の部位が「経穴」と呼ばれるいわゆるツボになります。
「お灸」を実施した過去の症例
以前、実施した牛の中で、下の写真が最も改善した症例です。
5日間ほどお灸のみ行い、治療後4日目で劇的な改善が見られました。
その後、様々な症例に実施したところ、半数くらいの症例において改善を認めました。さて、今回の症例はどうなるものか…
追記
あれから、1週間ほど畜主にお灸を続けてもらい
3月4日現在
本牛は寝起きも食欲も復活し、現在も搾乳牛として頑張っています。
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