目次
はじめに
経験に基づいた診断から、エビデンスに基づいた診断へと変わっていく中で、大きく変化したことの一つとして、血液検査がより身近なものになったことではないでしょうか?
一方で、様々な検査項目を評価・読み解き、診断に導くためには知識と経験が求められます。
そんなわたしも血液塗抹における白血球分類や、子牛の下痢などで読み解くアシドーシスの診断など、現場で手を焼くことが多いです。
今回は、「牛に特化した血液検査について、もっと知りたいな」と思っている人におすすめしたい本を紹介したい思います。
タイトルは「良くわかる・得意になる! 牛の血液検査学」です。
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この本は、新人獣医師はもちろん、血液検査について勉強したいというベテランの先生にもおすすめできると思います。
本の概要
- 200ページ弱のボリュームで、数日で読むことができる
- 洋書のように600ページ英語などだと心が折れる…
- 牛の臨床現場で実際に利用・評価する項目をピックアップ解説
- CBC、生化学検査、血液ガス 他
- 人やその他の動物などとの比較についても一部記載
- 人、馬、ヤギ 他 正常値などの比較
- 図・表・フローチャートを用いて解説
中堅獣医師が感じた、良かった点
- 苦手意識のあった血液塗抹について(特に白血球分類)、実践と内容の理解を深めることができた
- 複雑な生化学の回路やメカニズムについて視覚的にわかりやすく描かれていた
- 「臨床獣医」の連載コラム記事をまとめてあるため、購読されていない方には価格面で安価
この本で感じた足りない点、補足
あくまで、この教科書は血液検査の全体を網羅するにあたっての内容となっています。(どこの臓器が悪いなど)
そのため、実際の数値などは症例報告などを参照し、積み重ねていく必要があると思います。
まとめると、この本を読み理解を深めることで、
STEP1「積極的な血液検査の実施」
STEP2「診断の補助として活用」
STEP3「よりエビデンスに基づいた診断・治療を実践」
とできるのではないでしょうか。
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