酪農業界への影響

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響のみならず、
世界的な物流の影響により、飼料や資材価格はじめ、多くの品物の価格が上昇しています。
酪農業界では、販売価格(乳価など)が停滞する一方で、
費用負担の増加により危機的な状況に直面しています。
もしこの影響が短期的で済まなければ
今後の酪農業界のは大きなシフトチェンジを求められるのではないでしょうか。
私たちが解決できることは小さい事ではあるが、「売上最小化、利益最大化の法則」という一冊の本を参考に整理して、どんな事ができるか考えてみたいと思う。
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— 本屋の本棚 (@honyanohondanaJ) August 17, 2021
この本には、事業を持続するためには、ただ売上を大きくする「売上思考」ではなく
あくまで利益を大きくする「利益思考」で運営を行う必要があると書いてあります。
規模が大きくなると当然、設備投資(固定費用)も大きくなります。
それが大きなリスクとなってしまう。
酪農に当てはめるとどうでしょうか。
売上 = 乳代、個体販売(母牛、子牛)など
変動費=飼料代など
固定費=人件費、水道光熱費、燃料費、減価償却費(施設、牛など)
販売管理費=販売・集乳手数料、診療費など
売上 ー 原価(変動費+固定費)ー 販売管理費 = 営業利益

上の図は、損益分岐点図表です。
損益分岐点の乳量を超えた分より収入となり、乳量を増やせば増やすほど収入が増えることになります。

しかし実際は、上の図のように乳量がある一定以上になると、
費用が大きく増加してしまいます(費用の逓増)。
つまり、牛乳を搾り過ぎても残念ながら、収入が減るという結果となってしまいます。
なぜこのようなことになるのか、実際の例に挙げると
牛舎の施設面積(ストールやバーン)に対して牛群規模が過剰になると、
過密ストレスによる疾病の増加につながります。
また、労働力が不足する場合においても、
管理不足による事故の増加や発情の見逃しが増加します。
結果として、大きな損失とにつながってしまいます。
そこで、今回は、できる限り上のグラフ(理想的)に近づけるために
どのような事を実施すべきか、重要な3つを挙げてみました。
- 適正頭数の把握・維持
- 餌の品質の低下につながるコスト削減は行わない
- 短期的な利益は出るが、長期的には損失となる可能性がある
- 添加剤などは見直してみる
- 減価償却費を抑える
- 不必要な投資を控える
- 長命(健康に飼う)も減価償却費の低下につながる
次回は、具体的な方法や例を挙げたいと思います。
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