日々の診療で遭遇する子牛の病気の中で、最も多いのが腸炎です。腸炎と言っても原因は、病原体が関与する場合や、食べ過ぎ・飲み過ぎといった場合など、様々あります。
目次
原因の分類
特に病原体が関与する場合の腸炎においては、生後日齢によって大まかに原因を分類することができます。
- 生後直後〜3日齢頃 大腸菌など
- 生後1週間〜30日齢頃 ロタウイルス、クリプトスポリジウムなど
- 生後約20日齢〜 コクシジウムなど
- その他 サルモネラ菌、クロストリジウム菌など
生後2日齢の腸炎
「産まれた直後は元気だったが、翌日から急に具合が悪い」と診療依頼。子牛は、下痢による発熱と脱水によりだいぶ弱っていた。点滴により翌日にはだいぶ元気にはなったが、産まれたばかりの隣の子牛も翌日同じ様な症状になった。
この牧場では、親の初乳をそのまま与えている。最初の給与量は、3〜4ℓであり2回目の給与も十分な量の初乳が給与されていた。量は申し分ないので、品質に問題があったのではと考え、再度聞き取り。
乳房炎や血乳など、チェックは実施されており、給与時の温度管理なども適切であった。
が…
初乳の保管に注意
1回目の初乳の給与の後、余った初乳を常温(特に夏は常温ではない…)で半日保管後、2回目の初乳として給与していた。
実はかれこれ、このケースは非常に多い。どんなに頑張って蓋を閉めたとしても、半日常温で置いておけば、中の細菌が増殖し、2回目を給与する頃にはとんでもない量の細菌が存在することになる。発酵初乳のように、意図的に乳酸菌を混ぜてヨーグルトにでもしない限り、お腹を壊してしまう。
バルククーラーの役割を説明しつつ、きちんと冷蔵保存するように提案した。時期的には、寒さの影響もあると思うが、次に産まれてくる子牛が同じ様な腸炎にならないことを願う。


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