乳牛にとっての「水」とは
牛乳の約87%は水でできています。
ハードヘルスの教科書にも書いてあるように
乳牛において、水は餌と並んで重要なチェック項目です。
特に夏場の水分要求量は1日200リットル近くにもなります。
大きな水槽が用意され、「飲みたい時間」に「飲みたい量」を摂取できることはこの上ない幸せだ。とある牛は言っていました。

ウォーターカップで摂取する場合でも、20〜25リットル/分の流量が確保できれば、幸せだ。別の牛も言っていました。
しかしこの牛達の要求する、1分間に20〜25リットルの流量のハードルはかなり高いと感じます。
水量調査
管内のタイストール30農場で調査したところ、クリアしていたのはわずか2農場のみでした。
ほとんどの農場の流量は1分間に12リットル前後の結果でした。
中には1分間に5.4リットル…という流量の農場もありました。
一度に利用できる水が確保できないと、搾乳機器の洗浄時や餌の給与時に、蛇口から水が出ないという事態になることもあります…
長靴を洗おうとしたら水が出なくて困った経験ありませんか?
水量(流量)は「配管径」と「水圧」に大きく影響されます。


配管径は細いものから太いものまで様々利用されています。配管径が太いにも関わらず、水量が弱い場合は、配管内の空気量が不適切であったり、ポンプの排出力そのものが弱い場合がありますので、確認が必要です。
5.4リットルの農場では、去年の夏前にポンプの交換と、貯水タンクの利用によって1分間の流量は17.6リットルまで改善することができました。
これでもまだ、理想とまではいきません…
洗浄エラー
今回の本題ですが
先日、「搾乳システムの洗浄が頻繁に中断する」との相談。
原因は洗浄に必要な水量の不足。
今までこのようなトラブルはなかったはずなのに…

写真は洗浄へ延びていた水の配管です。
もともと配管系は30mmくらいと細いが、中にオレンジ色に硬くなった鉱物が詰まっています。
この農場の井戸水には、鉄やマンガンなどの鉱物が多く含まれていて、水もやや褐色に濁っていることがあります。
長年蓄積して、ここまで内径が細くなってしまったようです。
「飲水用の配管も?」とチェックしましたが、一応大丈夫そう…?
今回は部分的な配管の交換で解決したようですが、いずれは他の部位でも同じことが起こりそうですね。
水質管理
地下の水脈によって、水質が大きく異なるそうです。
特にその地域・地区特有の水質があるようです。
アルカリの水質だと手を洗っているときにヌルッとした感じがあります。
また、数十メートル掘った場所が少し違うだけでも肉眼でわかるほどの差があります。
鉱物の含有量が過剰だと、搾乳機器などの消耗を早めるほか、故障の原因にもなるため厄介な問題となります。また細霧システムも詰まってしまうことも。
対策として
- 井戸を掘り直す
- 水道水を併用する(水道代は高くなるが…)
- 濾過装置の設置(濾過性能により低額〜高額)
- 除鉄剤:酸性洗剤の使用(配管だけでなく、洗浄機器も詰まる)

井戸を掘り直すには費用がかかるだけでなく、水質が保証できずギャンブルと言われました…
蛇口から普通の水が出ることがどれほどありがたいことか…
ところで、飲水に鉄が含まれているのは一見体に良さそうですが。
どうでしょうか。


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