休み明けの仕事。
起立不能の重症牛がいる。
お産したばかりですが、二日前から起立不能。
血液検査が何度もされているが、その内容は低Ca血症ではなく低K血症。
点滴にKCL製剤を入れてもむしろ下がっていく…
教科書的な低K血症の原因としては①細胞内へのKの移動 ②Kの不足(摂取不足や喪失)の大きく2つに分類される。
- 代謝性アルカローシス
- 高インスリン
- βカテコラミン、甲状腺ホルモン
- 下痢、嘔吐
- 発汗
- 腎臓排泄の増加(高アルドステロン、利尿薬、ステロイドホルモン投与ほか)
臨床症状と血液検査では、代謝性アルカローシスを含めた消化器系の疾患は認められなかった。しかし一方で、CPKは1,000程度であったがGOTの著増を認める(約200)。Ca剤とブドウ糖製剤の連日投与による「高インスリン血症」は可能性として高いかもしれない。
前日の血液検査で血中Ca濃度は十分であったため、本日はCa剤、ブドウ糖製剤は休止して、KCL製剤の静脈内投与に塩化カリウムを経口投与してみることとした。
とても勉強になる論文がありましたので貼り付けておきます。低K血症の原因や治療について報告されています。
(Efficacy of oral potassium chloride administration in treating lactating dairy cows with experimentally induced hypokalemia, hypochloremia, and alkalemia)
ちなみに、筋肉損傷などの炎症を抑えるために、水性デキサメサゾンを併用していますが、糖質コルチコイドの作用がメインのため、低K血症は起こりにくいとされています。
(Effects of dexamethasone and isoflupredone acetate on plasma potassium concentrations and other biochemical measurements in dairy cows in early lactation)
何とか改善して欲しいと願うばかり。


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